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第四章 捨篠池の一つ目蛙(奥田)

             
 
                            第四章
 
                  捨篠池の一つ目蛙


刀良売(とらめ)さまは、うっとりなさっていなさると、池の中から一本の蓮の茎がするするとのびて出たかと思うと、美しい蓮の花がひらき、

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その上に金色の蛙(カエル)が一匹、まばゆいばかりの姿でとまってるやないか。

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そうやなぁ、あれは今から千ニ、三百年も前のことやった。

奥田村の東の池のほとりに庵が一つあってな、そこに刀良売(とらめ)様という名の女の人が住んでいなさったんや。

刀良売様はな、葛城山などの山々で修行したあと、大峰山を開いて日本の国に、修験宗というきびしい仏法をうちたてなさった、役の行者(えんのぎょうじゃ)のお母様なんや。


さて、その刀良売(とらめ)さまが、ある日の朝のこと、この池のほとりを散歩してなさると、どこからか、ここちよい音楽が流れてき、

そのあたりの露も五色に光り、あたりは、ありがたい極楽のような様子になってきたやないか。刀良売(とらめ)さまは心をうばわれて、

なんの気なしに池の岸にはえている篠(シノ)を一本ぬいて、ひょいとその蛙(カエル)の方へ投げたんや。

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そしたらどうや、その篠(シノ)がなんと、まともに蛙(カエル)の片目に突きささってしもうたがな。


しばらく刻(トキ)がたってからや、あたりがもとの明るさにもどったとしなされ、池の中から浮き上がってきた蛙(カエル)は、なんとまあ、泥色のみにくい一つ目蛙ばっかりということや。

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それからというもんは、池の名も捨篠池(ステシノイケ)と呼ぶようになったし、ここの池の蛙(カエル)は、どれもみんな、一つ目蛙ばっかりということや。

それからの刀良売(とらめ)さまは、このことを気に病み、やがて亡くなられたそうやが、その子の役(えん)の行者は、母さまの供養のため堂を建てるなど、いろいろつくしなさったが、

毎年七月七日の、この池の「蓮とり行事」も、吉野蔵王堂の「蛙飛び行事」もみんな、さっきからの話につながるなあ。

捨篠池のひとつ目蛙


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毎年、7月7日午前10時から行事が行なわれております。




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奥田の蓮取り行事


※本文と絵は大和高田の民話絵本より。
※写真の一部は、市役所資料より。
歩く人 高田の民話と伝承の郷、11ヶ所を訪ね歩いてきました。

   1話づつご紹介いたします。

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